節分

 また今年も節分祭の季節がやってきた。
 別に豆まきをするわけでもないが、近所のお寺が厄除けさんなので、この期間だけは寺町みたいになる。昨日が雨で出足が悪かったせいか、日曜日の今日は朝から近所がざわざわしていた。
 昼を過ぎるごろには、家の真横の電柱につけられたスピーカーがひっきりなしに、迷子の案内・警察からの注意・盗難や落し物の注意を流し出す。おまけに、家の前の溝をカバーしている鉄板をみんな踏んでいくらしく、ひっきりなしにガタガタなる。とにかく、うるさい。うるさいから鉄板を外しにいってやろうと、玄関の扉をがらっとあけたとたん、あっけにとられてしまった。家の前に、参拝客がすし詰状態で並んでいるのだ。いっせいに参拝客の目がこっちに向くので、慌てて扉をしめた。
 どうも、新しく開通した道路に警察が誘導しているらしく、去年までとは参拝ルートが変わって、うちの前をとおるようになっているらしい。しかも、境内で入場規制をかけているから、人の流れが止まっているのよ。鉄板外すどころじゃなくて、仕方なく、家のなかで爆音で音楽かけて、外のうるさい音から気をそらした。
 しかし、買い物にもいかないと、晩ごはんがない。覚悟をきめて、外にでて、行列のなかに身を投じた。帰ってくるときも、人ごみと一緒に流れてこないと家にたどりつけなかった。こんなんあり? 玄関で鍵をがちゃがちゃやっているのが、すごく恥ずかしかったよー。
 屋台、いっぱいでていた。ひやかし半分で見てまわった。なんか、白い蛇を見世物にしている屋台があって、そこは人だかりができていた。厄除けまんじゅうの店はどこもかしこもよく売れている様子。和菓子屋さんの厄除けまんじゅうが売れるのはいいけど、普段は八百屋なのに、このときだけまんじゅう屋になる店にまで行列つくっているのは、ちょっとどうかと。
 節分といえば、巻寿司の丸かぶりがお約束なので、巻寿司を買う。これって関西だけの風習らしいですねぇ。俗に「寿司屋の陰謀」といわれているけど、最近聞いたニューバージョンは、実は「海苔屋の陰謀」、というものだった。真実はいずこに? そのうち、「かんぴょう屋の陰謀」とか「みつば屋の陰謀」とかでてくるんじゃないだろうね?
(03.feb.02)