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古本市

 仕事が終わってはいないのだけれど、せっかくの連休、しかも天気は上々の秋の一日なので、思い切って出かけることにした。行き先は、天満宮でやっている古書市。
 お昼ごはんをせっかくだから、天神橋筋商店街沿いにあるタイ料理のお店にしようと思っていたら、お休みだった。久しぶりに食べたかったのにと残念に思ったが、コンビニでおむすびを買って、古書市をやっている境内で食べることにした。
 緋毛氈をひいたベンチがあって、そこに座っておむすびを食べる。半そでで十分なくらいの陽気だし、戸外でものを食べるのも久しぶりでとても気持ちよく、ヘタにお店に入らなくてよかった。
 古書市の出店はまあ多くもなく少なくもなく、明日が最終日のせいか、そんなに混んでいるわけでもなく、ゆっくり本をみることができた。結局本を買ったのは、欲しい本がよくヒットするいつものお店だった。こんなとこまで出張してきて商売しているのだなあ。レジはバイトさんぽかったけど、ご苦労さんです。
 今回は、そこそこ店の量があるので、いつもよりはよく買ったけど、これは!という出会いはなかった。これ昔読んだけど、この値段だったら持っていてもいいかあ、というのが多かった。あと新書の類。絶版本でもう入手できないのに安く買えたぞ、というのがあると嬉しいんだけど。今回はそういう出会いはなかったわー。
 
 ちょっと疲れたので、アイスクリームを買ってきて、またベンチに座って食べる。そこで初めて客層をゆっくり見た。電脳タウン日本橋とはまた違うタイプのオタクが多いかも。長髪というわけでもなくおかっぱ頭というわけでもないが、妙に髪の長くて、どこに売ってるのか分んないよな大きなめがねをかけている人が多いぞ。あれは古本関係の業界人なのか??
 帰りは天神橋筋商店街を通って帰った。梅田に出るとまた歩き回って疲れが倍増しそうなので、寺内町散策にとどめておいた。こんなかんじで連休はおしまい。リフレッシュになったでしょうか。

ジンメル

 19世紀から20世紀への世紀転換期にドイツで活躍したゲオルグ・ジンメルという人がいて、わたしは彼の作品がけっこう好き。ベルリン生まれベルリン育ちの、まあいわばシティ・ボーイですね。感性がクールで非常に洗練されていて、都会的。「都会」というものが現れつつあった時代の都会っ子というべきか。
 ふつうはジンメルは社会学者ということで知られているので、難しい本もいっぱい書いているのだが、別に専門にジンメル研究するのでもないかぎり、エッセイを読むように彼の作品を読んでいいのではないかと思う(ていうか、まさに「エッセイ」が彼のポイントなんだけど)。
 ちくまの学芸文庫あたりに『ジンメル・コレクション』という本も出ていて、訳も流暢で読みやすい。有名な「取っ手」や「橋と扉」あたりを読んでいると、サロンでは話の名手だったというエピソードもうなずけるほどのおもしろさ。
 つくづく、こんなところに着眼する感性って一体何?と思う。彼の文章は、やわらかい触手がそれまで気がつきもしなかった部分にそっと触れてくるような、そういう意外さがある。