映画ひさびさ

「2046」みてきました。とにかく無理やり隙間時間に駆けこんだ。殺伐とした日常をおくっているせいか、久々に別世界にトリップしたみたいで、個人的にはとっても満足。そういうわけで映画評はかなり甘め? そんなんでいいんか?という気もするけど、思考回路が溶けちゃったんでどうしようもないです。
ひるがえってみると、現実ってやるせないわ・・・。

映画ひさびさ」への5件のフィードバック

  1. 岡田

    オー、kirynさん。ついに観ましたか。かなり満足みたいだったようですねー。よかった!
    僕もすでに、今月の頭くらいに観ましたよ。
    やはりカーワイの映画は、ストーリーを構造的に語る重要性はあまりないように感じました。ただひたすら浮遊しよう。思考を捨てて、身体感覚を脱ぎ捨てて、どれだけ軽くなってその匂いに溶け込めるか。
    物書きの男を廻る何人かの女性。それでも潤う気配のない纏わり付く過去の渇き。一人称で語られる喪失感に似たこの渇きは、やはり村上春樹に通ずるものがあると感じました。
    出てくる人物の奇妙だけど魅力的なキャラクターも春樹っぽいな、と。
    ただ僕はそれほど未来の世界の映像がよいとは思えず、その意味もそれほど重要と感じられなかったので、前作だけでも充分よかったかなと思ってしまいました。
    木村拓哉も、中高のときなんかにドラマを普通に楽しんで観て来た僕としては、あまりにもドラマと代わり映えがなかったので「それでいいのか木村拓哉!」と思ってしまいました。
    個人的には、「恋する惑星」の哀愁を引き連れつつ金城武にやってもらえたらキャスティング的には最高だったなと嘆いております。
    いやしかし熟女のおばさんたちはどの方も魅力的でした。みんな顔に迫力がある。濃い。透明感のある女性って表現があるけど、そのま逆ですね。
    僕は最近映画館では「父、帰る」というロシアのすさまじい映画を観ました。あとビデオでも頑張って観ているのですが、「17歳のカルテ」はとても心に響き、原作も(もちろんkirynさんのレビュー)も読んだし、あとルコントの新作「列車に乗った男」はやはりすばらしく、それでもぶったまげるくらいおもしろかったのはやっぱリンチの「マルホランド・ドライブ」でした。
    これは個人的に「マグノリア」、「ポーラX」と並んでDVDで買って何度でも観て楽しめる映画です。

  2. 岡田

    あああと一ついい忘れましたが、チャン・ツィーの痛々しさは確かにすごかったです。切な過ぎます。「ブエノスアイレス」のレスリー・チャンを思い出した。

  3. kiryn

    岡田さん、おまたせしました、さっそくのレスありがとうございます。たしかにこの映画、構造的に語るとかはちょっと無理ね。村上春樹、そんなに読み込んでないんですけど、いわれてみたらそういう気もするかな? 「一人称でみた喪失感に似た渇き」という言い方はうまいですね。そういうところは似ているのかも。ただ村上の作品には、猥雑さのようなものはあまり感じないのですが、、、。
    『2046』、レディースデイに観に行ったせいもあるだろうけど、場内は女性客ばかり、次回の分を列をつくって待っているのも女性客ばかり。トニーのファン?それとも妥当にキムタクのファンとみるべきでしょうか。組織的に動いてそうでちょっとコワイ、、、。わたしはドラマはみないので何ともいえませんが、バラエティにでてくるキムタクと代わり映えしないのに驚きましたよ。王監督は何ゆえに彼をキャスティングしたのか?謎。
    まあ、たしかに金城武なら悪くないですね。そして、チャン・ツィイーにレスリーをなぞらえる点には納得させられました。いやわたし、『ブエノスアイレス』のレスリー、好きなんですよね。でもすごく扱いがサディスティックというか、痛々しいじゃないですか。今回のチャンの扱いもそんなところありますよね。あれはカーウァイの趣向なのかなあ、、、そういうところに惹かれてしまうわたしも何だかなあというかんじですが。
    未来のシーンは、ひたすらスタイリッシュなアンドロイドを見ておりました。あの服とかあの靴とか。ファッション雑誌みたいだった。
    熟女のおばさま、コン・リーとカリーナ・ラウだっけ? たしかにインパクトあったよー。得体のしれない美しさですね、あれは。
    それから、ロシア映画とルコントとリンチの映画情報ありがとう。いつも岡田さんにはいろいろ教えてもらってうれしいです。わたしは先日「アンダーグラウンド」を見直しました。やっぱこの映画はすごいわ。

  4. 岡田

    確かに、春樹の作品からカーワイ作品にある猥雑さのようなものはあまり感じられないかも。彼の小説にでてくる人物、出来事、あらゆる事象は、春樹の美意識のようなものに上手くコントロールされて全体の世界観としてもかなり品のある、線の引かれたものになっていますものね。うねるような感情がほとばしっても、あの独特な文体で非現実的に束ねられてしまっていますからね。良くも悪くも。
    こっちも女性客が多かったような。なぜでしょうね。木村拓哉って未だにそのような効果が顕在なのでしょうか。なんでも王のアシスタントかなにかの女性が日本のドラマ、しかも木村拓哉が出演しているもののファンで、彼女が監督にごり押ししたみたいですよ。うーん、バラエティーか…。確かに。基本的に彼はぜんぶいっしょですからねぇ。キャラクター。同じスマップなら中居くんのがぜんぜんいい役者ですよ。最低でもシリアスと三枚目を使い分けられるし。
    そうですねぇ、「ブエノスアイレス」のレスリーといい今回のチャンちゃんといい。サディスティックな扱いですよねぇ。僕も惹かれますよ。やっぱ傷んでいるいる人というか、苦境に立たされている人間の方のが僕は興味を持ちます。なぜでしょう?そういう人間の方のが自分が必要とされると思っているからですかね。より近づけると考えているからですかね。
    あと映画情報ですが、kirynさんいろいろと忙しいみたいですがおちらこそいつも情報だけを一方的に羅列してしまってすいません。でも今回の情報は自信ありますよ。これだけだってのだけ持ってきますからね、ここには。時間があったらぜひ観てみてくださいね。「アンダーグラウンド」は同居人のベストムービーなんですが僕は高校くらいのときに観てよくわからなくて、それから観ていません。観ようかな、今一度。
    あ、あと来週詳しい友人に連れられて美術館に行ってみることにしました。そこでなにかいいことがあったらまた書き込みに来ますね。

  5. kiryn

    うん、なにかいいことあったら、また書き込んでくださいね。わたしは美術館からも遠ざかっているー。
    「アンダーグラウンド」はわたしも昔みたのですが、そのときはコメント不可能に陥りました。バルカンや旧ユーゴの歴史について多少なりとも齧っておかないと、歯がたたないですよね。その知識なしに見ていい映画とも思えないし。今回は二回目だし、なんとかコメントを搾り出したいものです。
    岡田さんにはいつもいろいろオススメしてもらってて、とても楽しみにしております。前に教えてもらったYo La Tengo、じつは今お気に入りです。ヴェルヴェッツ+クラフトワークってかんじです。曲をかけてても邪魔にならないところがいいですね。
    村上春樹評、ほんとそんなかんじです。いやうまいこというなあと思って。村上の作品は、何をよんでも、フィーリングの合わなさのようなものを覚えます。あ、一目はおいてますよ。
    岡田さんの評を、中島敦におきかえてもかなりいけるんでは?と思うんだけど、中島敦にはわたしはもう波長ばっちり合うんですよね。何が違うのかなー。
    王の映画も、今回のはかなり好きだけど、ぜんぶがぜんぶ好きではないですね。金城武が出ていた映画とかは、あまりハマリこむことがなかったように思います。映画にはいりこめないと、最後までみるのは辛いという、入り口での選別がある監督なのかも。でもまあ、再見したら評価とか変わることもあるし、意見を固定化させることはないんですけどねー。

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