ケーキの思い出

 チーズケーキとガトー・ショコラはわたしの二大・大好きケーキ。作り方も簡単だし、味がシンプルで、重厚にも軽快にもできるところがよい。あたりまえだけど、素材をいいものにすればするほど、味は良くなるものなのね。チョコレートを変えたり、チーズの種類を変えたりすると、味が変化するのも楽しい。あと焼き時間もかなり味を左右する。普段はカロリーセーブのために低脂肪牛乳を使うのだけれど、先日は奮発して生クリームを使った。コクが出てやっぱり美味しかった。
 パンもそうだけど、ケーキも、軽くてフワフワしているものより、ずっしり濃厚な味の方が好き。あとデコレーション用の生クリームがたっぷりついているのは苦手。見栄えはいいけどね。好みに関する自分ルールが出来上がると、お店でケーキを選ぶときに、迷わなくなるのでラクチンだったりする。
 子どものころのケーキの思い出は、誕生日などに買ってもらうか、友達の誕生日会で食べたくらいで、思い出そうとしてもあまり出てこない。ケーキは存在自体が華やかなものだから、出されるとうれしいんだけれど、食べて美味しいと思ったことはなかった。美味しいどころか、生クリームだかバタ・クリームだかのコッテリ感に、たいてい胸焼けして気持ち悪くなった記憶しかない。まあ、洋菓子屋チェーン店くらいしか、ケーキ屋さんってなかったし。個人経営のケーキ屋さんも似たり寄ったりで、開眼するほど美味しいものって食べたことなかったなー。ケーキってこんなもん、とあまり期待をしなくなった。
 まあ、ケーキ屋さんが悪いのではなくて、わたしのなかのケーキに対する好き度が低いってだけなんだけどね。多分、日常とは違うハレの食べ物、という刷り込みがあるのに、食べるとたいしておいしくないという経験の積み重ねが、ケーキのイメージを落としたんだなー。